STDデータベース:梅毒

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  • ≫どうしてうつるの?
  • ≫どんな症状が出るの?
  • ≫対処法について
  • ≫予防法について

どんな病気? −病気の概要−

●ひと昔前は恐ろしいSTD(性病)として有名

治療薬ペニシリンが発見されるまでは、不治の病として恐れられていました。
今は早期治療すれば完治します。

●感染者数は横ばい

かかる人が少なくなったと思われている梅毒ですが、毎年同じくらいの感染が報告されている病気です。
一度症状が出たあと、しばらくは目立った症状がないため、かかっていることに気がつかないことも。

●梅毒に感染していると、HIV(エイズウイルス)に感染しやすい

梅毒に感染し病変部分があると、HIV(エイズウイルス)などにも感染しやすくなり、実際に梅毒とHIVどちらも感染している例も多々あります。
梅毒に感染したら、HIV検査もあわせて受けましょう。

●3週間、3カ月、3年

梅毒に感染すると、症状が「3週間後」、「3ヵ月後」、「3年後」 と変わっていきます。
症状がほとんど出ない時期もあるため、注意が必要です。

梅毒も、月に一度の検査をオススメだよ!

どうしてうつるの? −感染について−

●あらゆる性行為(セックス、アナルセックス、フェラチオ)で感染します

・梅毒はトレポネーマという病原菌により感染します。
・皮ふや粘膜の小さな傷から病原菌が侵入し、血液中に入って全身に広がります。
・アナルセックスでの感染が特に多いと言われています。
・口に梅毒の病変部分がある場合は、キスでも感染します。
・母子感染で赤ちゃんに起こる先天梅毒は、妊婦検診が行われているため、現在はほとんどありません。
・毎月、定期的に検査を受けたい病気のひとつです。

どんな症状がでるの? −病気の症状−

お仕事、またはプライベートで感染した日
皮ふや粘膜の小さな傷から病原菌が侵入して感染し、
血液中に入って全身に広がります。
男女ともに症状は同じで、4期に分かれます。
第1期梅毒感染して約3週間後
●痛みのないしこりができる
感染したところ(性器、口、肛門、手指など)の皮ふや粘膜に、しこり(軟骨の硬さ程度、小豆から人差し指の先位までの大きさ)ができます。その後、しこりの中心部が硬く盛り上がります。

●痛みのないリンパ節のはれ
太ももの付け根の部分がはれます。
※これらの症状は、放置しておくと2〜3週間で消えます。
第2期梅毒感染して約3ヵ月後
病原菌が血液に入り、全身に広がります。
●ピンク色の円形のあざ
体の中心線にあたる部分を中心に顔や手足にできます。
●赤茶色の盛り上がったブツブツ
小豆からえんどう豆くらいの大きさのもの
●脱毛症状
※これらの症状は、3ヵ月から3年続き、自然に消えます。
その後しばらく、無症状が続きます。
第3期梅毒感染して約3年以上経過
●しこりができる
皮下組織にできる大きめのしこりです。
結節性梅毒疹やゴム腫などといわれます。
※現在ではほとんどみられません。
第4期梅毒末期症状
●心臓、血管、神経、目などに重い障害が出ます。
※現在ではほとんどみられません。

●男性にはどんな症状? −お客さんのココをチェック!−

感染部分にできる第1期のしこりや、第2期のブツブツなど、わかりやすい症状もありますが、それが梅毒なのか、他の皮膚の病気なのかは専門家でなければ見分けはむつかしいです。少しあやしいな、と思う出来物は、さわったり舐めたりするのを避けよう。

どんな対処法があるの? −病気の対処法−

●対処の方法について

病院へいく
明らかに感染している自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
自宅で検査をする
病院で検査・治療をすることがベストですが、不安だけれど病院へ行く時間がない人、病院へ行くのはどうしても・・・という人は、自宅に居ながら、匿名で検査を受けることもできます。

検査について

症状が出るまでと検査のタイミング

●病院を受診する場合

明らかに感染している自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。

受診科
皮膚科、性病科、婦人科(産婦人科)
診療費用は?
診察料:3,000〜5,000円
検査代:1,500円
薬代:3,000円〜
(上記は、保険適用でない場合のおよその金額です。保険適用の場合は上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。)

●治療について

経口合成ペニシリン剤を、それぞれの症状に応じた期間、服用します。

感染していると診断された  
それぞれの症状に応じた期間、薬を服用 経口合成ペニシリン剤を、それぞれの症状に応じた期間、服用します。(※)
治療終了 定期的な検査で
完治したか確認します。
※服薬期間の目安
第1期梅毒 2〜4週間
第2期梅毒 4〜8週間
第3期梅毒以上 8〜12週間
治療が必要な無症状の 梅毒で感染時期が不明なもの 8〜12週間

十分な治療をしても、効果の確認に時間がかかることが多いので、 定期的な診察や検査で完全に治ったことを確認することが必要です。梅毒に感染しているとHIV(エイズウイルス)にも感染しやすくなるため、HIV検査もあわせて受けることが望ましいとされています。

どんな予防法があるの? −病気の予防法−

梅毒を予防するには、症状が出ているところや、病原体がいるところ(先ばしり液、精液、尿道などの粘膜)と、自分の粘膜(膣内、尿道、喉、傷口など)が接触しないことが重要です。
フェラチオ、スマタ、本番など、風俗の多くのサービスで梅毒は感染する可能性があります。
感染力が強いので、症状がでているところにキスしたり、なめたりすることで感染することもあります。

現場でできる予防「行為別一覧」はこちら

プライベートでのセックスなど、コンドームを使用すると感染の可能性は下げられます。
ただし、コンドームをしていても、性器以外の病変部との接触により感染する可能性があります。

パートナーの検査の必要性は?
セックスパートナーも感染している場合がほとんどです。2人同時の検査と治療が必要です。