STDデータベース:B型肝炎

  • ≫どんな病気 -概要-
  • ≫どうしてうつるの?
  • ≫どんな症状が出るの?
  • ≫対処法について
  • ≫予防法について

どんな病気? −病気の概要−

●ウィルスが原因の肝炎

「B型肝炎」は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が原因で起こる肝炎のこと。
肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。
このB型は、急性肝炎として数ヵ月で治る場合もありますが、慢性化した場合は、肝硬変や肝臓癌へ進行することもある、注意が必要な病気です。

●セックスでもうつる肝炎

B型肝炎は、とても感染力が強い病気です。セックスパートナーの数が多いほど感染者が多いと言われ、風俗で働いていたら、注意が必要な病気のひとつです。

●海外での刺青でも感染!?

全世界で見ると、B型肝炎ウイルスの持続感染者は3億5千万人、日本では130万人以上と推定されています。特に、アジア、アフリカで多くみられ、海外で感染して国内に持ち帰るケースが多いと考えられています。海外で刺青を入れるときには、針を確実に交換しているところで行いましょう。

針刺し事故で感染の危険が高い看護師さんやお医者さんには予防ワクチンがすすめられているよ。風俗嬢も、業務上かかる可能性が高い職業。ワクチン接種をするのもあり!

どうしてうつるの? −感染について−

●あらゆる性行為(セックス、アナルセックス、フェラチオ)で感染します

・ B型肝炎ウイルスは、HIV(エイズウイルス)やC型肝炎ウイルスより感染力の強いウイルスです。
・ 感染者の唾液にも微量のウイルスは含まれていますが、飲み物の回し飲み程度では感染しません。
・ B型肝炎は慢性化することはほとんどありませんが、関東を中心に慢性化する欧米型ウイルスが広がりを見せています。
・ 出産時の母子感染率が高い病気ですが、妊婦検診を受けることにより、感染を防ぐことができます。
・ 輸血による感染は、献血された血液を検査することにより、現在ではほぼ起きていません。

どんな症状がでるの? −病気の症状−

仕事やプライベートで感染した日
男性、女性、ともに同じような症状が出ます。
潜伏期間感染直後から1〜2ヶ月くらい
個人差があり、症状が出るまで約1〜2ヵ月かかります。
症状が出る
主な症状
全身倦怠(だるさ)、食欲がない、濃い色の尿が出る、発熱、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など症状を起こす人は感染者の約3分の1と言われ、感染者の半数以上は症状が出ないまま、自然に治ります。肝臓疾患の目安となる、ASTやALTなどの値が異常に高い場合や、黄疸の症状がある時は入院します。
症状が治まる
一般的には安静にしていれば、 症状が出てから2〜3ヵ月で自然に治ります。ただし、まれに劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)することがあり、肝臓移植を行わない場合の死亡率は60〜70%となります。

どんな対処法があるの? −病気の対処法−

●対処の方法について

病院へいく
明らかに感染している自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
自宅で検査をする
病院で検査・治療をすることがベストですが、不安だけれど病院へ行く時間がない人、病院へ行くのはどうしても・・・という人は、自宅に居ながら、匿名で検査を受けることもできます。

[もう少し詳しく知りたい!] 肝炎ってどんな病気?ウイルスの肝炎、アルコールの肝炎、急性肝炎、慢性肝炎…?

検査について

臨床診断と血液検査を行います。

症状が出るまでと検査のタイミング

●病院を受診する場合

明らかに感染している自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。

受診科
内科(消化器科)
診療費用は?
診察料:3,000〜5,000円
検査代:3,000円
薬代は別途かかります。
(上記は、保険適用でない場合のおよその金額です。保険適用の場合は上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。)

●治療について

検査数値が異常に高い、もしくは黄疸などの症状がある場合は、入院します。
食欲不振が強い場合には点滴を行います。ウイルスに対抗する薬の注射や服用を行うことがあります。

感染していると診断された  
入院して経過を観察 ほとんどの人は2〜3ヵ月で自然治癒しますが、症状によっては入院して抗ウイルス療法 (インターフェロン、ラミブジンなど)を行うこともあります。
治療終了 退院後しばらくは、検査数値が低下しているかどうか 通院しながら確認を続けます。

感染予防にはワクチン接種が有効です。
ワクチン接種費用は1回につき5,000〜10,000円で、期間をあけて3回接種する必要があります。
(保険適用ではありません)

急性のB型肝炎に一度かかると、抗体ができるので再感染の可能性はなくなります。 特定のパートナーがB型肝炎の持続感染者(キャリア)で、自分が未感染の場合は、ワクチン接種を受けておくと安心です。

どんな予防法があるの? −病気の予防法−

B型肝炎を予防するには、病原体がいるところ(先ばしり液、精液、血液)と、自分の粘膜(膣内、尿道)が接触しないことが重要です。
フェラチオ、スマタ、本番など、風俗の多くのサービスでB型肝炎は感染する可能性があります。

現場でできる予防「行為別一覧」はこちら

プライベートのセックスでの感染予防には、コンドームの使用が有効です。
アナルセックスや生理中の性行為など、出血と粘膜の損傷をともなう性行為は感染の危険性は高くなります。

パートナーの検査の必要性は?
感染した場合は、パートナーの検査は必要です。
通常、B型肝炎の感染源となったパートナーは、キャリア(持続感染者)と考えられます。
しかもウイルス量の多い状態と考えられますので、医療機関の受診をすすめて下さい。

ワクチンの接種
自分が未感染の場合は、ワクチン接種を受けておくと安心です。
急性のB型肝炎に一度かかった人は、抗体ができるので再感染の可能性はなくなります。
(参考)
感染予防のためのワクチン接種費用は、1回につき5,000円〜10,000円で、期間をあけて3回接種する必要があります。保険適用ではありません。