STDデータベース:C型肝炎

  • ≫どんな病気 -概要-
  • ≫どうしてうつるの?
  • ≫どんな症状が出るの?
  • ≫対処法について
  • ≫予防法について

どんな病気? −病気の概要−

●血液からの感染が大半の肝炎

「C型肝炎」は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染が原因で起こる肝炎のこと。
日本のC型肝炎ウイルス感染者数は150万から250万人とも。
そのうち、ウイルスを持っているのに肝臓の障害に気づいていない方が、約60万人いるといわれています。

●性行為による感染率は低い

C型肝炎ウイルスは血液によって感染します。
性行為による感染の可能性はありますが、感染の確率はほとんどないと考えてよいでしょう。

●慢性化することが多い

C型肝炎は症状が軽いものの、感染者の7割前後は慢性化し、
肝硬変から肝臓がんに進む可能性が高いので、注意が必要です。
肝臓がんによる死亡者数は年間3万人を超え増加傾向にありますが、
その8割がC型肝炎をともなっています。

C型は、お仕事でかかることはまずない!

どうしてうつるの? −感染について−

●性行為による感染の可能性は低いと言われています

・ 性行為による感染はまれですが、アナルセックスや生理中の性行為など、出血と粘膜の損傷をともなう性行為は感染の危険性は高いと考えられます。
・ 妊婦の方は、妊婦検診を受けることにより、出産時の母子感染を防ぐことができます。
・ 血液製剤や輸血によって、C型肝炎ウイルスに感染するという薬害事件がかつておこりましたが、献血された血液を検査することにより、現在ではほぼ起きていません。

どんな症状がでるの? −病気の症状−

仕事やプライベートで感染した日
男性、女性、ともに同じような症状が出ます。
潜伏期間感染直後から2週間〜3ヵ月くらい
個人差があり、症状が出るまで約2週間〜3ヵ月かかります。C型肝炎ウイルスの抗体ができるまでの期間は1〜3ヵ月とされています。
症状が出る
主な症状
全身倦怠(だるさ)、食欲がない、濃い色の尿が出る、発熱、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など急性のC型肝炎で、上記の自覚症状の出る人は20〜30%と言われます。
一般的に、A型肝炎やB型肝炎に比べて症状は軽く、自覚症状の現れない人も多くいます。
症状が治まる
治療を行い、慢性化や劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)しなければ、治ります。ただし、C型肝炎の特徴は慢性化することで、初感染例のうち約62〜77%が慢性化すると考えられています。

どんな対処法があるの? −病気の対処法−

●対処の方法について

病院へいく
明らかに感染している自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
自宅で検査をする
病院で検査・治療をすることがベストですが、不安だけれど病院へ行く時間がない人、病院へ行くのはどうしても・・・という人は、自宅に居ながら、匿名で検査を受けることもできます。

[もう少し詳しく知りたい!] 肝炎ってどんな病気?ウイルスの肝炎、アルコールの肝炎、急性肝炎、慢性肝炎…?

検査について

臨床診断と血液検査を行います。

症状が出るまでと検査のタイミング

●病院を受診する場合

明らかに感染している自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。

受診科
内科(消化器科)
診療費用は?
診察料:3,000〜5,000円
検査代:3,500円
薬代は別途かかります。
(上記は、保険適用でない場合のおよその金額です。保険適用の場合は上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。)

●治療について

C型肝炎の治療は、その状態により方法や効果が違うので、専門医の判断により行われます。
急性肝炎の場合は、安静、食事療法、抗炎症療法など、慢性肝炎の場合は、抗ウイルス剤の投与などがあります。

感染していると診断された  
個々の状態に合わせて治療法を決定する 安静、食事療法、抗炎症療法や抗ウイルス剤の投与
・インターフェロン
・ リバビリン など
肝機能の正常化 検査数値が低下しているか、確認をしばらく続けます。

治療を行い、慢性化や劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)しなければ治ります。ただし、C型肝炎の特徴は慢性化することで、慢性化した場合には自然に治ることはほとんどなく、肝硬変から肝臓がんへの進行に注意が必要となります。

どんな予防法があるの? −病気の予防法−

プライベート、お仕事にかかわらず、性行為による感染はまれですが、アナルセックスや生理中の性行為など、出血と粘膜の損傷をともなう性行為は感染の危険性は高いと考えられます。性交時にコンドームを使用することは有効です。

現場でできる予防「行為別一覧」はこちら

パートナーの検査の必要性は?
C型肝炎ウイルス持続感染者(キャリア)のパートナーの方は、
念のために検査を受けることをおすすめします。